プライドの高いZ世代の部下が「ごめんなさい」と言わずに困っていませんか?

Z世代育成

自動車系金融会社に勤める営業マネージャーです
2023年中小企業診断士登録、現在東京都中小企業診断士協会に所属
ボランティアで創業支援、事業承継、営業力強化、人財育成の支援に取り組んでいます

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プライドの高いZ世代の部下が「ごめんなさい」と言わずに困っていませんか?

Z世代という言葉、よく耳にするけれど、どんな特徴を持った世代か詳しくご存じですか?

私もテレビでZ世代をターゲットとした商品開発やZ世代芸能人の紹介など見て、Z世代というキーワードを覚えた位でした。

まさかZ世代が会社で部下になった時の影響など、あまり考えたことはなかったですが、実際に職場でZ世代を部下として迎えたとき、これまで会社で経験した部下育成のノウハウや考え方が全く通用しないことに気付きました。プライドが高く、指摘や注意に敏感。それでいて、こちらが丁寧に向き合うと抜群の成果を発揮する。まさに新しい時代の部下像を実感しました。

この記事では中小企業診断士として、人材育成は現場体験からをモットーにしている私が、特にZ世代を部下に持つ管理職や、これからZ世代と働く方々に向けて、彼らとの向き合い方や育成のコツをお伝えします。

 

目次

1.Z世代部下の口癖から感じるプライドの高さ
2.Z世代の部下が仕事に対して持つ価値観とプライド
3.我慢強いX世代、仲間意識が強いY世代の部下とZ世代の違い
4.私が失敗から学んだプライドの高いZ世代部下との関係作り
5.Z世代部下のプライドを理解して成長に繋げる方法
6.まとめ

 

Z世代部下の口癖から感じるプライドの高さ

職場でZ世代と接していると、「なんだかプライドが高いな」と感じることはありませんか?

この記事では、Z世代がどうしてそのような反応をするのか、プライドが高いと言われる背景や特徴について考えていきます。そして、それを理解することで、彼らとの関係をより良いものにするためのヒントを探っていきましょう。

Z世代の「プライドが高い」と感じる場面は、単に彼らが自己中心的だからではありません。その背景には、彼らが育った時代特有の価値観や考え方が大きく影響しています。

以前、このようなやりとりがZ世代部下とありました。

上司(私): 「Z世代さん、今日期限の報告資料だけど、まだ提出してないけど大丈夫かな?」

Z世代部下: 「ちょうど今からやろうと思っていました。でも上司さん、締切が今日なんて言っていましたっけ?」

上司(私): 「1週間前にチームメンバー全員にメール展開したよ。WEBミーティングでもこの資料が社内で必要な事は共有したけど、念のために今からもう一度送るから返信して」

Z世代部下: 「締切が展開されていたら良いです」

上司(私): 「Z世代さん、まだ提出もらっていないのはZ世代さんだけです。締切を守るのは社会人のルールだから気をつけよう」

Z世代部下: 「...」

「いまからやろうと思っていました」、Z世代部下の口癖です。
ほかにも、
「それ、教えてもらっていなかったからできませんでした」
「SNSで前から知ってました」など

これらは一見すると責任を回避しようとしているように見えますが、実は「自分が無知だと思われたくない」「相手にネガティブな印象を与えたくない」というプライドが働いている場合が多いのです。

Z世代の部下のこうした反応に対し、感情的にならず、冷静に向き合うことが鍵です。まずは彼らのプライドを尊重しつつ、指摘や注意を行う方法を模索しましょう。適切な距離感と余裕を持ちながら対処することで、彼らの成長を引き出すことができます。

Z世代の部下が持つ「プライドの高さ」は、一見すると扱いにくく感じるかもしれません。しかし、それは「自分の価値を認めてほしい」という欲求の表れでもあります。指摘や注意をする際には、彼らの気持ちを尊重しながら対応することで、信頼関係を築き、良好な職場環境を作ることができるでしょう。

Z世代の部下が仕事に対して持つ価値観とプライド

Z世代の部下を持つ上司の中には、「これまでの若手と何かが違う」と感じた経験はありませんか?Z世代には、他の世代と異なる価値観や仕事に対する姿勢があると言われています。例えば、

  • プライドが高い
  • スキルを習得し早く成長したい
  • タイムパフォーマンス重視
  • デジタルネイティブ
  • ストレス耐性が弱い

これらの特徴を理解しないまま接すると、上司とZ世代の部下の間に摩擦が生まれる可能性があります。私自身も管理職として、Z世代の価値観に気づけなかったために苦労した経験があります。

私が管理職として6つの部署を経験する中で、Z世代の部下を持った際に大きな戸惑いを覚えました。ある営業所では、新入社員を含む6名の若手を育成する立場になりましたが、従来の育成方法ではまったく手応えを感じられなかったのです。

その後、新入社員採用の面接官としてZ世代の特徴について学んだ際、彼らが「プライドを重視し、効率性を求める」独自の価値観を持っていることを知り、それまでの違和感の理由が腑に落ちました。

以前、このようなやりとりがZ世代部下とありました。

Z世代部下: 「上司さん、私が担当している大口代理店の営業を外れたいんですけど」

上司(私): 「急にどうしたの?」

Z世代部下: 「同じ営業部3年目の同期は、私と同じ売上規模の代理店を担当してないんですけど」

上司(私):「若い時から大口代理店を担当するのは、将来きっと役に立つ経験だと思うよ」

Z世代部下: 「前の上司に給料を大幅にアップしてくださいと言いましたけど、結局同期と同じ位しかアップしていませんし、とにかく今日から営業担当は外れますから」

上司(私): 「Z世代さんには大口代理店に対する営業経験を蓄積して欲しいんだ」

Z世代部下:「この会社はジョブローテーションで、4年目に必ず異動があるはずなので、私は来年には別部署に異動ですよね。大口代理店の担当をしても給料は増えないし、本社業務に異動希望を出すので、営業経験の蓄積は必要ないです」

Z世代部下は自分の能力に自信があり、同期と比較しても責任のある仕事を担当している優越感やプライドを持っていたと思います。実際は人手不足で能力と関係なく担当するしか無かった職場事情でしたが、タイパを重視する価値観や業務担当に合わせた適正な給与を求めるZ世代の特徴について、私がもっと理解して彼らの価値観に合った育成方法や仕事の割り振りができていれば、職場でのトラブルを防ぎ、信頼関係を築く鍵となったかもしれません。

Z世代の部下が仕事に対して持つ価値観とプライドは、社会人経験が長い上司から見ると、まだまだ会社に貢献できておらず、物足りなく感じるかもしれませんが、一方で「適正に評価してほしい」という自己評価に対する自信があります。Z世代の仕事ぶりを承認し、仕事に見合った給料が欲しいのか、成長を求めているか等、彼らの価値観を正しく理解し支援していくスタンスがZ世代部下の上司に求められるでしょう。

我慢強いX世代、仲間意識が強いY世代の部下とZ世代の違い

皆さんの職場では従業員世代によって特徴の違いを感じませんか?

一般的に世代特徴の違いは以下のようなことが言われています。

【X世代】1965年から1981年頃生まれ

  • 個人主義的な考え方や独立心が強い
  • 効率性を重視
  • 物質的な価値を重視
  • 口頭や紙媒体を使ったコミュニケーションスタイル

【Y世代】1981年から1996年頃生まれ

  • 理想主義的な考え方が強い
  • ワークライフバランスを重視
  • コストパフォーマンスを重視
  • オンラインにプラスしてリアルなコミュニケーションも重視

【Z世代】1996年から2012年頃生まれ

  • 多様性の意識が強い
  • 社会問題に対する関心が強い
  • 現実主義、保守的である
  • タイムパフォーマンスを重視
  • オンライン上でのコミュニケーションを重視

これらの世代の特徴が混在する職場では、意見の違いや働き方のギャップがトラブルの原因となることもあります。特にZ世代は、効率性や納得感を重視するあまり、他の世代との摩擦を生むこともあります。今回は、実際のエピソードをもとに、Z世代の特性と、チーム内での役割の捉え方を探っていきます。

Z世代の部下は仕事がやりたくないというわけではなく、経験が少ないため上司や先輩から指示された仕事に納得できていないだけかもしれません。仕事はチームで取り組んでいるということが理解できれば、Z世代の部下もチームの中で自身ができることを考えるのではないでしょうか。

以前、このようなやりとりがZ世代部下とありました。

上司(私):「急で申し訳ないけど、一名が病気で休むことになったので、書類回収の催促を分担したい。協力してほしい」

X世代部下:「件数は多いけど、これも仕事だしやるしかないね」

Z世代部下:「知らない代理店への連絡は避けたいですし、書類回収は非効率だと思います」

Y世代部下:「Z世代さんの気持ちはわかるけど、今回はみんなで分担して進めるのが公平だと思うよ」

Z世代部下:「ありがとうございます。ただ、私は単純作業ではなく、分析や提案といった業務で貢献したいです」

ミーティングでのやりとりの一部ですが、幅広い年代の部下がいると世代ギャップの特徴が出た意見がでます。通常業務では作業分担について、今まではZ世代がいない時、上司が公平に業務配分することで解決が図れていました。

今回のケースもZ世代部下が他の世代より協調性がないというより、非効率でスキルアップにならない単純作業に抵抗感を示したように私は感じました。私も含めて作業は公平に分担した方がいいという意識が強い人は、思い切って部下の強みを活用した業務配分に振った方が、良い結果につながることがあると思います。

Z世代の部下がいることで、ミーティングにおいて今まで無かったような意見が出るかもしれません。その時はZ世代の部下に今までの会社の価値観を押し付けるのではなく、彼らの問題提起を理解し、問題解決策を職場全体で考えることで職場改善が図れるでしょう。

私が失敗から学んだプライドの高いZ世代部下との関係作り

職場にプライドが高いZ世代社員がいると人間関係に気を使いませんか?以前であれば、職場での飲み会でお互いを理解する機会も多かったですが、最近は飲み会の機会も減ったと思います。私も営業同行でしか、Z世代部下とコミュニケーションが取れていないことが悩みでした。

以前、すごくプライドが高いと感じるZ世代の部下がいました。彼は全くお酒を飲まずコロナ禍であったため、一回も一緒に飲みに行ったことが無く、正直なことをいうと人柄については、ほとんど知らなかったのが事実です。そして、上手くコミュニケーションが取れていなかったため、失敗したことがありましたのでご紹介します。

以前、このようなやりとりがZ世代部下とありました。

Z世代部下:「来月のA販売会社表彰パーティーに後輩が出席すると聞いたんですけど」

上司(私): 「そうだよ。ベテラン社員2名がその日に予定があって、後輩のZ世代部下に出席をお願いしました」

Z世代部下: 「年功序列でいうと、私が出席すべきではないのですか?」

上司(私):「この前会社で打ち上げがあって、飲みに行ったメンバーがコロナになった時、Z世代部下さんは参加しなかったけど、私に対して会社の飲み会があっても、絶対に誘わないで下さいとすごく怒っていたから配慮したつもりだけど・・・」

Z世代部下: 「会社の飲み会はしようもないから、参加したくないだけです」

私も突然のことでびっくりしましたが、Z世代の後輩社員からZ世代部下が表彰パーティーのことを聞いて、私に対し抗議をしてきました。

コロナ感染時期が落ち着き、会社からも職場内での飲み会が許可され、打ち上げを実施した後、参加者の中でコロナ感染が起きました。飲み会に不満を持ち参加しなかった彼が、職場全員の前でもう飲み会には絶対参加しないと宣言した二週間後に販売会社から表彰パーティーの案内が来ました。

彼が会社の飲み会に対し不満を持つことは、最近の飲み会離れから理解できますし、会社でも飲み会への参加を強要しないよう通達があり守られています。私は飲み会参加を強要しないという側面だけを重要視し、お酒が入る表彰パーティーに声を掛けないという気持ちでしたが、彼は「なぜ私より後輩に声をかけたのか」ということでプライドが傷ついたのかもしれません。「会社の飲み会はしょうもない」ということに反論せず、なぜそう考えているのか寄り添ってあげても良かったです。

彼はもう別の部署に異動となり、現在は一緒の職場ではありませんが、この経験は私にとって、Z世代部下に対する対応を反省する機会となり、Z世代に対する担当依頼や業務指示については、目的や理由などをできるだけ分かりやすく伝えるようにしています。

現在のZ世代部下とはZ世代のプライドの高さを理解し、コミュニケーション機会を意識的に増やすことで、うまく関係構築ができていると思います。

Z世代部下のプライドを理解して成長に繋げる方法

「最近の若手はすぐにへこたれる」
「プライドばかり高くて扱いにくい」
こんなふうに感じることはありませんか?
Z世代には高いプライドがある一方で、ストレス耐性が低く、フィードバック次第で大きくモチベーションが変わるという特徴があります。

そのため、従来の「上から目線で厳しく指導するマネジメント」は効果的ではありません。一方で、Z世代の特徴を理解し、効果的なフィードバックを行えば、彼らの潜在能力を引き出し、成長を後押しすることができます。この章では、Z世代のプライドの高さの背景を掘り下げながら、実践的な対応方法をお伝えします。

Z世代の「プライドの高さ」は、私たち親世代が子供に対して褒めながら育ててきた環境が大きく影響を受けている可能性があります。社会人になって、急に上司や先輩社員から厳しく指導されても惑うだけです。そのため、社会人になって急に厳しい指導を受けると、戸惑いや反発を感じやすいのです。Z世代の部下には、親のように寄り添いながら、ポジティブなフィードバックを通じて安心感を与えることが成長の鍵となります。

以前、このようなやりとりがZ世代部下とありました。

Z世代部下: 「前に依頼された研修資料を作成しましたので、一緒に確認していただけますか」

上司(私):「もうできたの、私が考えていたより三日位早いね。ありがとう」

Z世代部下:「修正が必要になりますし、早い方がいいですよね」

上司(私):「過去の研修資料を参考にしたの?構成はとても良いと思うよ。発表順は商品説明と顧客の声を逆にした方が良いね。この見本紹介はZ世代部下さんのアイディアなの?他業界でも使えそうだし、代理店も喜んでくれるよ。この研修で代理店の行動も変わりそうだし、期待を超える内容でとても良いよ」

Z世代部下:「ありがとうございます!資料作りに自信がつきました 」

上司と部下のやりとりの一部ですが、Z世代に対してフィードバックで意識していることがあります。

【Z世代へのフィードバック例】

  • 褒めるポイントを自分で持っておく(作成スピードは質より褒めやすく、資料の見栄え等も褒めやすいです。)
  • 褒める内容や修正部分は具体的に
  • 具体内容を抽象化し、再現度を高めるなど違う視点での気付きを促す
  • Z世代部下が工夫したポイントに気付いて承認する
  • 他社でも使えるなど、スキルアップを認め自信を持たせる
  • 「期待を超えた」などのキーワードは結構喜ばれる

Z世代は受身傾向があり、もしかしたら少し物足り無かったり、すぐに答えを求めるなど、上司や先輩社員からみるとZ世代部下はプライドが高く、ストレス耐性も低いため、とても扱い難い存在に感じているかもしれません。自分が新入社員の時、上司や先輩社員は学生気分を無くさせ、給料に対する価値を提供できるよう、理不尽とも思えるような厳しい指導を受けました。なぜ我慢出来たかをはっきり覚えてませんが、社会人になることは厳しい修行でどこの会社も一緒と思っていたかもしれないです。

比較しても意味は無いので、現在の人手不足の若手売り手市場、Z世代の特徴を客観的に理解し、こちら側から全てを受け入れ、寄り添う姿勢が大切になります。

私も意識を変え対応をしているだけで、Z世代は想像以上に手強いです。正直言って感情面だけいうとまだまだ我慢ばかりしています。それでも今までの考えでは上手くいかないことを理解してますので、これからも失敗しながらですが、成長していきたいと考えています。

まとめ

  • Z世代部下はプライドの高さから自分の非を認めない
  • Z世代の部下が仕事に対して持つ価値観とプライドを知ることから始める
  • 我慢強いX世代、仲間意識が強いY世代の部下と比較することでZ世代を理解する
  • プライドの高いZ世代部下との関係性に失敗から学んだこと
  • Z世代部下のプライドを理解して成長に繋げる方法の紹介

今回は、プライドの高いZ世代部下の特徴や育成方法について、実際の現場での気づきや取り組みを紹介させていただきました。

プライドの高いZ世代部下との関係に悩んでいる企業の管理職は多いと思います。私もいつも悩んでいますが、ぜひZ世代の特徴を理解した上で、Z世代部下を変えるより、まず自分の意識や言動を変えることから考えてみてください。

将来、日本や企業の中心となるZ世代の成長を一緒に支援していきましょう!

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